
◎1957年 米国ウイスコンシン大学において、牛心筋細胞のミトコンドリア中に脂質によく溶けるオレンジ色の
物質が 発見された。その物質こそがCoQ10である。
◎1963年 米国のフォーカスらによりCoQ10の化学構造式が決定された。
◎1966年 日本において、CoQ10の世界初の量産体制が確立される。
◎1974年 医薬品原料としてCoQ10製剤が発売される。CoQ10製剤は鬱血性心不全や浮腫、高血圧による
心臓病 などに臨床適用された。
◎2001年 日本でCoQ10が食品として認可される。
コエンザイムQ10は細胞のミトコンドリアに存在し、エネルギー生産と細胞を活性酸素による酸化から守る
2つの重要な働きを持った物質です。
(1)細胞エネルギーを産生する体内酵素!
エネルギーとはATP(アデノシン-3リン酸)という物質で、全ての細胞の活動の源となっています。 ATPは
私たちの 体を構成している60兆個の細胞内にあるミトコンドリア(エネルギー産生工場)でつくられていま
す。細胞1個1個がエネルギーを作り続けることによって、臓器、血管、筋肉、皮膚などが正常に機能でき
るのです。
(2)すぐれた抗酸化作用!
コエンザイムQ10は体内に取り込まれると還元型コエンザイムQ10となり、体内抗酸化成分である
ビタミンE
を安定化させる重要不可欠な成分として働きます。実はビタミンEは体内の脂質の酸化を防ぐ重要な物質
であると同時に条件によっては活性酸素(フリーラジカル)による脂質の酸化を促進することもあるのです。
この現象を防いでいるのがコエンザイムQ10です。

私たちの体の中で起きる最も危険な状態は細胞膜脂質の酸化です。細胞膜が壊されると細胞の機能が大きく
損なわれてしまいます。私たちの体が過剰な酸素の攻撃に曝されたとき最初に使われるのが
コエンザイムQ10ビタミンCであることが確かめられています。ビタミンEの脂質過酸化抑制効果はCoQ10に
よって保たれています。
 | CoQ10は重要な物質なので体内で合成されます。しかし、その濃度は多くの臓器で20歳代でピークとなり、加齢とともに低下していきます。
減少率の最も高い臓器は、心臓が40代で30%、80代で50%以上、肺では80代で50%以上、皮膚は80代で65%以上が失われます。
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CoQ10は脂溶性の物質であるため水に溶けにくく、そのままでは体内吸収率が低いことが報告されています。
油に溶かしたり、乳化剤を添加することによって、吸収率を高めています。最近の研究で、γ-サイクロデキストリン
で包接したCoQ10が腸内で胆汁酸によりミセルを形成し、その結果吸収率において顕著な上昇を示し、血中濃度
を高めたことが報告されています。

ヒトや動物、魚、植物、酵母など生物界に広く存在することからユビキタス(あまねく存在する)キノン
(Quinone,Q)、すなわち「ユビキノン」、 またエネルギー産生に関わる補酵素ということで「コエンザイムQ」と
命名されました。