健康食品の素材

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健康食品の素材

2001年、3月開催の「健康博覧会」にてご紹介した素材です。

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脳を活性化する健康食品素材
ホスファチジルセリン


本格的な高齢化社会を迎え、アルツハイマー病および老人性痴呆症の患者数も増加の一途をたどっております。お年寄りのお世話をされる方々は、日々大変な苦労をされており、とりわけ、知的障害のあるお年寄りを介護される方の肉体的および精神的な負担は多大なものがあります。幸い、介護保険制度がスタートし、介護を受ける側および介護する側の負担は従来よりも軽減される方向にあり、被介護者のQOLの向上および介護者の負担軽減の見地から、痴呆症状を緩和し、認識力を高めて痴呆発現を予防する、いわば、老人力パワーを増進する健康食品に対する強いニーズが生じております。

このような折りに、欧米で広範かつ厳密な臨床試験の結果、高齢者の痴呆症状を緩和し、認識力を高める確かな効果が確認され、さらに、若齢者でも過酷なストレスに対する抵抗力を増強し、脳機能および運動機能が向上することから、世界的に注目されている新素材があります。それが「ホスファチジルセリン」です。本紙量ではホスファチジルセリンの臨床効果、由来および機能などをご紹介いたします。

1.臨床効果

ホスファチジルセリンの効果は、主に欧米で研究され、その論文数は3000にも達すると推定されています。そのうち特に重要な論文だけでも、1997年までに64件が数えられ、そのうちの17件は、最も信頼性の高い臨床試験である二重盲検法により実施されており、ホスファチジルセリンは以下に示す数々の効果を発揮することが確認されています。一方これらの厳格な試験において、副作用も厳しくチェックされましたが、副作用は認められませんでした。

1)アルツハイマー病・老人性痴呆症における症状の改善
アルツハイマー病および老人性痴呆症の患者で、ホスファチジルセリン200-300mg/日、60日-6ヶ月間の摂取により、つぎの諸症状の改善が確認されています(1,2,3,4,5,ほか多数)。

・認識力・記憶力減退の不満・集中力・自発性・引きこもり・異常行動
・記憶力・注意力・機敏性・学習力・行動性・無感動・睡眠障害


2)加齢により減退した記憶力・認識力の回復
50歳以上で現れはじめ、60歳以上の約半数の人にみられるといわれる記憶力・認識力の減退を計る指標として認識力年齢が考案され、その検査法が種々開発されています。それらの検査法を併用して厳格に実施され、厳密な統計学的分析により評価された二重盲検法で、認識力年齢の平均値64.3歳であった57名の人たちが、ホスファチジルセリン摂取後52歳の認識力年齢に若返ったと報告されています。

3)若齢者では過酷なストレスによる認知力低下を改善
過酷で持続的なストレスは、脳機能を低下させます。健康な若い男性に2週間にわたる激しいトレーニング(自転車こぎ)を課し、ニ重盲検法で検討した結果、ホスファチジルセリン摂取により、過酷な運動と精神的ストレスに起因する重圧感、認識力低下、筋肉痛を回避できることが確認されています。さらに、連日の過酷なスポーツのテニスで、女王として長年にわたって君臨したあのグラフ選手が、ホスファチジルセリンを愛用していたことは知る人ぞ知る事実です。

一方、私たちの身近でも、受験生が大きな精神的ストレスに耐えています。受験生の脳機能を賦活しって成績向上に寄与しつつ、他方では、その精神的重圧が脳機能に及ぼす悪影響を和らげるホスファチジルセリンの働きを、多くの人に知っていただきたいものです。

2.ホスファチジルセリンは、大豆由来

私たちの脳神経細胞は、脂質性の膜で覆われており、その膜成分の一つとしてホスファチジルセリンが発見されました。
その後、ホスファチジルセリンは大豆にも含まれていることが分かりました。その含量は0.05%と非常にわずかですが、抽出・精製を繰り返すことによって、今ではホスファチジルセリン含量約20%の油溶液として、あるいは純度ほぼ100%の粉末として得られています。私たちが健康食品原料として使用できるのは、この大豆由来ホスファチジルセリンです。

3.生理学的機能は、情報伝達の効率化・高速化

ホスファチジルセリンは、つぎのように脳神経細胞で情報伝達の効率化・高速化に機能しています。

1)情報損失の防止 脳の活動(情報伝達=電気信号の伝達)において、情報を損失なく、速やかに送るために欠かせない絶縁体として機能し、情報の損失を防いでいます。

2)情報伝達の高速化 神経細胞への電気信号の出入り口で、信号(ナトリウム・イオンやカリウム・イオン)の出入りを管理しており、情報の速やかな伝達に寄与しています。

3)脳神経細胞の活性化 脳は体重の3%にも満たない器官ですが、エネルギー源としてブドウ糖を全身の約20%も消費します。ホスファチジルセリンは、脳神経細胞へのブドウ糖の取り込みを促進し、脳細胞の働きを活発にします。


4)神経伝達物質の産生促進 情報が神経細胞からつぎの神経細胞へ伝達されるとき、電気信号は神経伝達物質と呼ばれる科学物質に変換されて伝達されます。アルツハイマー病やパーキンソン病患者ではこれらの神経伝達物質が非常に少なくなり、スムーズな情報伝達がなされません。ホスファチジルセリンは神経伝達物質の生成を促進して、情報伝達を活発にします。

4.摂取量の目安

ホスファチジルセリンの摂取量の目安として以下の量をおすすめいたします。

1)アルツハイマー病、老人性痴呆症 初めの1-2ヶ月間は300mg/日、以降は維持量として100mg/日

2)壮・熟年者の脳活性化・痴呆症予防 100mg/日

3)若齢者の脳活性化 100mg/日


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