三生医薬株式会社

プラズマローゲンについて

プラズマローゲンとは

リン脂質の一種で、グリセロリン脂質に分類されます。
哺乳動物の体の組織に存在し、特に脳や心臓、骨格筋といった酸素消費量の多い組織に多く含まれます。リン脂質はヒトの脳に含まれる脂質の約半分を占め、プラズマローゲンはそのリン脂質のうちの約20%を占めており、脳で重要な役割を果たしていると考えられます。

プラズマローゲンの構造

加齢によりプラズマローゲンは減少する

高齢者の血清中プラズマローゲン濃度は、健常な若年成人と比べて約40%低いという報告があります。プラズマローゲン濃度は加齢にともない低下しますが、加齢により発症する冠動脈狭窄や耐糖能異常も影響していると考えられています。

約40%減少

出典:Maeba R, et al., "Plasmalogens in human serum positively correlate with high-density lipoprotein and decrease with aging", J Atheroscier Thromb., 14(1), pp.12-18(2007)

アルツハイマー患者の脳はプラズマローゲンが少ない

アルツハイマー患者の脳では、健常者の脳に比べプラズマローゲンの量が少なくなっています。
プラズマローゲンは脳の認知機能を維持するために重要な役割を果たしていると考えられます。

健常人のプラズマローゲン量を1としたときの相対値
出典:

1)Ginsberg L, et al., "Disease and anatomic specificity of ethanolamine plasmalogen deficiency in Alzheimer's disease brain.",  Brain Res., 698(1-2), 223-226 (1995).

2)Guan Z, et al., "Decrease and structural modifications of phosphatidylethanolamine plasmalogen in the brain with Alzheimer disease.", J Neuropathol Exp Neurol., 58(7), 740-747 (1999).

アミロイドβ凝集抑制・分解促進効果

アルツハイマー病では、脳にアミロイドβという蛋白質が溜まることを引き金に、脳の神経細胞が変性したり脱落したりして、脳が萎縮します。プラスマローゲンは、他のリン脂質に比べ、アミロイドβの凝集を抑制し、また分解も促進することが示されました。これらの効果はホヤに多いDHA結合プラズマローゲンが最も高いという結果でした。

健常人のプラズマローゲン量を1としたときの相対値
健常人のプラズマローゲン量を1としたときの相対値

※リン脂質の代わりに精製水を用いたときの値を100%とする

出典:宮澤陽夫ら「アミロイド蛋白質の凝集抑制および分解促進によりアミロイドーシスと関連する疾患を予防または治療するための組成物」、再公表特許 WO2008-93709 

神経細胞のアポトーシス抑制効果

プラズマローゲンは血清飢餓状態において引き起こされる神経細胞アポトーシスを濃度依存的に抑制し、50μMのプラズマローゲンを添加すると、血清存在下で培養した細胞と同程度の生存率を示しました。

血清の非存在下における細胞生存率に対するプラスマローゲンの効果。

血清(培養細胞の栄養)非存在下にて、ウシ脳由来プラズマローゲンを0〜50μM添加し、マウス神経芽細胞腫細胞を36時間培養したときの細胞生存率。


有意差は、血清非存在下・プラズマローゲン0μMでの培養細胞との比較。


出典:Yamashita S, et al., "Extrinsic plasmalogens suppress neuronal apoptosis in mouse neuroblastoma Neuro-2A cells : importance of plasmalogen molecular species", RSC Adv., 5, 61012-61020 (2015).